ゲストスピーカーをする事になった話 I will be a guest speaker to talk about my family business
こんにちは。
日本はゴールデンウィークでしょうか。
僕は今回の留学の為に、トビタテ留学Japan www.tobitate.mext.go.jp
という、奨学金プログラムに支援して頂いています。そのプログラムの受給者の要件の一つに、日本文化発信の大使として活躍する事という文言がありまして、お世話になっているのに何もしない訳に行かないと、今日、カルガリー大学の文学部で日本プログラムを担当されている先生の所に何かやらせてくれと、メールを送り、聞きに行って来ました。
それで幾つかお手伝いをさせて頂く事になったのですが、その内の一つとして、大学が行っている日本文化に関するオムニバス形式の講義で、ゲストスピーカーとしてお話しさせて頂く事になりました。と言っても講義自体は来学期なので、まだ詳細未定なのですが。
何を話すかについてですが、日本の伝統的な木工技術として、僕の実家の家業であった桐たんすについて、紹介しようと考えています。詳細は下の記事に以前まとめたので、良ければ見てみて下さい。
四季のある国の家具 「総加茂桐箪笥 小倉タンス店」 | Revalue Nippon
海外に居て、自分のアイデンティティを証明する時、生まれ育った国の文化というのは、自分にとっての一つの大きな軸になります。
僕は以前にマレーシアへと留学した機会があるのですが、そこで面白いと感じた物、心から興奮した物はその国独自の文化でした。
よく雑誌で目にするツインタワーや巨大なショッピングモールよりも、平日に路上で所狭しと並ぶ露店に、海外のブランド品や有名フードチェーン店よりも、現地の服や地元の方が作ったお菓子に心惹かれました。
グローバル化が進む中で人を惹きつけるものは、どこかで見たような焼き増しではなく、そこでしか成しえないローカルな独自性です。
ただその一方で、そういったローカルな伝統技術は安価で容易な製品に市場を奪われています。桐タンスはその内の一つです。
金物を使わずに組み立てる木工技術は、日本独自の海外でも称賛される技術ですが、その時代の人の生活に合わせて革新し続けなければ、後世には残りません。
日本の伝統工芸品が、新たなイノベーションによって復活する成功ストーリーを目にする度に、僕の家業についても、詳細は省きますが、早くに決断して何かしらの行動を起こしていれば、また違った道もあったのではないかと、いつも考えてしまいます。祖父母も両親も好きな事をしなさいと育ててくれたので、その言葉に甘えてきましたが、それでもやはり、桐たんすの家に生まれた自分には、その現状を変える為に、何かをしなければならなかったのではないか、自分にはその役目があったのではないかという気持ちが今でもあります。
今回、ゲストスピーカーとしてお話しさせて頂く機会を得た時、日本の木工技術を広めたいと、勝手な敵討ちの様な気持ちが、自分の中に確かにあるのだと感じました。それをどの様に形にするのかは、まだ答えは出ませんが、日本の外から見る事で、日本の外に発信する事で、桐タンスはどう変わるべきなのか。その答えが見つかればよいと思います。
自分語りになってしまいました。今日はこの辺で。