勤務初日
こんにちは。
本日は勤務初日でした。
バスで通うのですが、研究所の周囲には桜が植えられており、
雨が降ってはいましたが、それでもとても綺麗な風景でした。
幸先が良いですね。
初日という事もあり、仕事というより、ボスに連れられて関係各所にあいさつ回りをして、契約書類を書いて、オフィスでの働き方などの説明を受けました。
企業ではないので、新人研修などは無いのですが、場に馴染めるように気を使って頂けているなと素直に嬉しいです。
暫くの間は仕事を任されるというより、まず関連文献を読み尽くして今の研究に追いつけという感じです。
渡された参考資料が分厚くて、さてどうしようかと思います。
さて、仕事自体に関しては不満は無いのですが、単純に待遇が寂しいなと契約書類書きながらしみじみと感じていました。
非常勤研究員なので、正職員とは待遇が違います。同一労働同一賃金が今日から施行されましたが、農研機構はまだ完全には実施されていないそうです。
具体的には、通勤手当が実費支払いなのですが、実費に届かず足が出ます。
ボーナスも一応、日給に日割りで追加されているのですが、それも年間合計で10万円程。額面でも300万届くかどうか程度です。
これでも、博士で学振を取った場合よりも所得では高いのですが。
日本の闇ですね。
尊敬する先輩が研究職は人には勧めないとよく言われるのですが、納得です。
研究を仕事にしたいと今の職を選びましたが、
給与の面で精神的に耐え切れなくなるのかなと。
覚悟が試されているなと感じます。
今日はこの辺で。
帰国して一年経った今
お久しぶりです。小倉です。
帰国して1年が経ちました。
今年で大学を卒業し、長年住んだ宿舎から離れることになり、
深い感慨を覚えながら徒歩10分くらいのアパートに引っ越しました。
部屋に照明灯が無く真っ暗なため、初出勤を明日に控えながらも、
大学のパソコン室で論文を推敲し、今作業を終えてこのブログを書いています。
収益化のためにちゃんと準備してからとか、
体裁を整えてから書こうとか考えていたら全く書いていなかったので、
これからはカッコつけずに思うまま書こうと思っています。
明日(正確には今日)から新社会人ということで、節目でもあるので、
昨年の振り返りと今の心境を記しておきたいと思います。
博士課程としてまた同じ研究所に戻ろうと意気揚々と帰国した後、
暫くはトビタテのブランドマネージャーとして
母校や他校で留学相談に力を入れていました。
要は広報とか、調整役ですが、実際好きなことを好きなようにするだけです。
僕は自分がトビタテに応募したときに先輩に相談に乗っていただいた事が有難かったので、留学相談ばかりをしていました。
FBで公開グループを作成し、トビタテのネットワークを通じて
大使館やあしなが育英会さんのイベントで留学経験をシェアさせて頂いていました。
オンライン・オフライン含めて1年で200人くらいお話できたと思います。
リンク:トビタテオンライン相談会(応募者はこちらで相談乗ります。)
https://www.facebook.com/groups/539724749846277/?ref=bookmarks
帰国して3か月が経ち、ぼちぼち奨学金のためにIELTSの準備を始めていた6月。
留学先でお世話になった博士の学生から、メッセージを受け取ります。
"Hello shun, we have bad news"
お世話になっていたTay博士が、急逝されたという連絡でした。
呆然としながらも、お金もないので取り敢えず仕事を探そうと就活をする傍ら、
科学技術の発展と地球貢献を目指しているリバネスという企業様とご縁があり、
主催されているテックプランターというインキュベーションコンテストに参加させて頂いていました。
そこでありがたいことに賞を頂き、研究の成果が認められて社会に貢献できることの嬉しさに涙し、既に技術職として内定は頂いていたものの、「やっぱり研究と関わっていきたい」と思い直し、年の暮れに内定を辞退。その後色々な方のお力を借りて卒業式の前日に農研機構様に研究職としての就職が決まりました。
リンク:茨城テックプランター2019
https://techplanter.com/2019/11/12/2019-11-9-ibaraki-grandprix/
※嬉しさにガチ泣きしてて、顔がクシャクシャです。
就職といっても単年度契約の契約社員で、昇給もボーナスも退職金もありません。時給1500円です。暇ができる度に、辞退した内定先を想って「早まったかなあ・・・。」と考えています。
とはいえ、辞退していなかったとしても未練を抱えたまま悶々としながら仕事を続けていたのかと思うと、結局自分にはこの道しか無かったようにも思います。
農研機構でのお仕事は、主にデータ分析で、簡単に言うと豚の成績表を作ることになります。
自分の研究とはあまり接点は無いのですが、仕事の知識が研究に活かせると思うとやる気が出ます。
住まいは変わらずつくばなので、退社後や週末に古巣のラボに戻って研究も出来そうなので、楽しみです。
最近考えたこと2つ
1つ目は決断することについて。
私は優柔不断な性格で、多くの可能性を残そうと何も決めずに、行動を起こさずに時間を浪費してきたなと都度思います。
悩むは答えを出さず、実際は思考停止している状態。考えて、仮説のもとに計画を立てて、それに従って行動する。その繰り返しで人生は進んでいくものであり、何もしないと何も始まらない。
さっさと決めて、あとはそれを達成する事だけに注力すること。考えながら動くこと。
2つ目は幸せや自由について。
幸せに働きたい、自由に生きたいと漠然と思ってきましたが、それはつまり自分の納得できる生き方をすること。自分の理に従ってそれを実行することなのかなと少しずつ腹落ちしています。どんな人生を歩んだとしても、その結果が何につながったとしても、それで良かったと最後に笑っている自分でありたいと思っています。
きょうはこの辺で。
明日帰国
こんにちは、グラです。
大分更新が途絶えていました。
振り返り自体は手元のノートや別の媒体で続けていたのですが、
今思うとここにまとめて書いて置けば読み返しやすかったなと、
反省です。
明日のフライトを控えて、大学オフィスの机を片付けしながらつらつらと今の気持ちについて考えていたのですが、これもまた書き溜めておこうかなと筆をとりました。
国を移動する事がただの「日常」になった
カナダに留学する前は、何度か海外に行った事はあるものの、渡航前日になると訳もなく心配で何度も航空券を確認したり、新しい何かが始まる、或いは終わる予感に落ち着かない気分になったものです。
でも今は、明日帰国するというのに、「飛行機の乗り換え面倒くさいな」程度にしか思わなくなっていました。電車に乗るのと同じ感覚です。
実際友人が送別会を開いてくれたりするのですが、僕の事なのになんだか他人事な感じがしています。
以前の様にドキドキして部屋をうろつかない事に自分でびっくりしています。
マレーシア留学から帰国する時は飛行機の中でボロボロ泣いていたのに。
理由としては多分、以前はもう二度と帰ってこれない、皆と会えないと考えていたのが、今はいつでも帰ってこれる(行く事が出来る)と思えるようになったからだと思います。
実際、帰ってくるんですけどね。
日本で修士とったら、次は博士として進学する予定です。
日本に帰国するというより、
日本で面倒な仕事を済ませてくる感覚です。
「自由」になれた
留学の目的に直結する成果は置いておいて、自分自身の気持ちの変化を見てみると、大分「自由」になったなと感じています。
最後にこのブログを更新したのは昨年の9月でした。
当時は博士進学するか、主に金銭面で悩んでいました。
気持ちは博士進学したい。
でも奨学金の借金が山ほどある。
博士進学した後も就職が不安だ。
とか考えていました。
ですがその時に大学の同期がクラファンで資金調達を成功させて
日本で夢を追っていたりするのをみて、
「やりたたいことをやればいい。今自分に出来ないなら出来るように行動すればいい」
と吹っ切れまして、そこから積極的になれたと思います。
留学全体を通してやりたい事を何度も自問したり、
色々な生き方に触れたことが積み重なり、最後に吹っ切れたという印象です。
日本にいるとどうしても周りを見てしまう性格をしているので、
一人海外で自分の生き方を見つめる時間を取れた事が良かったのかなと。
内心、これで良いのかと悩みながらの留学でしたが、今ではこの選択は正しかったなと思えています。
やりたい事っていうのは実際自分では気づいているけれど、
自分の今の能力や環境を見て(例えば💰が無いとか英語が話せないとか)、
自分には無理だって判断して挑戦しないままに諦めていたんだなと実感しました。
振り返ってたらちょっと片付けが終わらなさそうなので、
続きは空港の待ち時間で書こうかな。
日本は不便?
こんにちは。
修士から博士に移籍できるのかと大学に質問したところ、正規学生のみという事で、僕の場合には適応出来ず、来たいのならば修士卒業後に来なさいとの事でした。まあそうですよね。聞いたことないし。でも残念。
話は変わりますが、今月16日から21日まで東京ビッグサイトでIWA(国際水協会)による世界水会議が行われます。一般の方も当日無料で展示会などご覧になれます。興味のある方は是非参加してみて下さい。
僕はカナダでお留守番ですが、こちらのラボからも数人が発表します。今日はそれに参加するラボメイトとランチしながらプチミーティングしてました。議題は東京の歩き方。電車の乗り方とかおすすめのお土産とか。日本でもuberが使えれば楽なんですが、中々難しいようで。
ついでに日本で使うポケットWi-Fiの契約とか代行しました。こちらでレンタルして日本に持ってくと日本の同サービスと比較して2倍くらい高かったです。
ちなみに今回使用したのはWi-Fiレンタルどっとこむ
日本を訪れる際の不便ってそんなにあるかなと思ってましたが、説明して見ると意外と多い事に気づきます。
例えばネットへのアクセスで言えば、フリーSIMとか東南アジアみたいに普及していないし、フリーWi-Fiも比較すれば限定的に感じます。交通に関しても、電車やバスの正確な運行を誇れるとは言え、交通費は高いし、uberもcar2goも普及していません。観光地を除けば現金の携帯がまだまだ必要です。後は言語ですよね。
こうしてみると、今の日本は世界と比べて技術の普及やインフラの革新が遅いと感じます。
最近考える事
こんにちは。
今日は僕の留学の目的である、下水処理場での実証試験に関するミーティングに行って来ました。8月開始の予定だったんですが、今月中旬にずれ込んで、実験機器をどうやって現場に動かすか、どの様に作業するかについてのミーティングをしに行ったのですが、また予定が遅れて11月開始という事に。。。行政の対応が遅いのは、カナダも同じようです。こちらでの滞在が来年の2月末までなので、これ以上の遅れは勘弁して貰いたいところです。切実に。
最近は、博士課程について、また考えるようになって来ました。
僕は今修士課程を休学してこちらに来ています。その為、通常通り修士を修了後に博士課程に進む場合、帰国後1年を過ごす必要があります。ですが、こちらの大学では修士課程から博士課程に移籍する事が可能だと聞き、大学のスタッフにその必要要件を確認している所です。これが適応出来るなら卒業要件の為だけに1年修士で待たずに済みます。加えて、こちらの担当教授から望むなら博士として受け入れても良い(諸経費+生活費給付)と言われています。カナダの博士学生向けの奨学金にも応募するつもりではありますが、最低でも生活の保証をして貰えたというのは大きいです。
とはいえ、結局博士号を取った後、どうしたいのかが問題で、その答えは出てません。
一番肝心な所なのに。
結局今の研究で飯を食う覚悟がまだまだ無いんだなと。
一度就職して金銭的余裕を持つべきなのかも。
まとまらないままですが、今日はこの辺で。
折り返し地点
こんにちは。
九月になり、身に染みる寒さになって来ました。
まだ日中は暖かいですが、朝晩のバスを待つ間がジャケット一枚ではちょっと耐えられません。カナダは夏と冬の2シーズンしかないようで、季節までオンオフがはっきりしているなあと思うこの頃です。
新学期が始まったようで、食堂がごった返していたり、新入生向けのオリエンテーションがキャンパスの各地で行われています。上級生からすると新入生ってみただけで分かってしまうんですね。昔から不思議なんですが。若々しさというか青々しさというか、そんな感じが滲み出ているのを感じるからでしょうか。
最近は、というか7月末辺りから研究が漸く軌道に乗り始め、計画は遅れているのですが、先に進めている安心感から、精神衛生は前より大分改善してきました。心の余裕って大事です。
そういえば自分の研究テーマである好気性グラニュールについての説明をしていなかったので、簡単に説明してみます。(トビタテの事前研修では上手く理解して貰えなかったので、リベンジです。簡単に説明するって簡単じゃない。)
下水処理場では、活性汚泥と呼ばれる、見た目は水の中を漂う綿あめのような形状をした微生物群を使って水を綺麗にしています。タンクの中にこの微生物綿アメを閉じ込め、彼らに汚水を餌として食べさせているんですね。
現在はこの微生物綿アメが、日本を含めた世界の下水処理の主流となっています。
ですが、この微生物綿アメをある条件下で育成する事で粒状の微生物群が自然発生する現象が発見されました。この粒粒を好気性グラニュールと呼んでいます。例えると、綿アメが丸まって出来たアメのイメージです。綿アメがアメになる事で、体積が小さくなり、また早く沈むようになります。これが処理の効率化に繋がる新技術という訳です。僕はこの技術を日本の現行技術に導入し、現状の改善に貢献したいと考えています。
しかしながら、まだまだ新しい技術であり不明な点も多く、実用化に向けた課題の解決を行っている最中であり、この留学及び僕の実験もその課題解決策を模索するものです。
そんな訳で、僕は毎日ラボで粒粒を眺めて暮らしています。
カナダでの留学もあと半年。気を抜くとあっという間に終わりそうです。ちゃんとした成果を持って日本に帰りたいと思います。
最後に。Twitterを見たら、北海道で大地震が起こっていた事を知りました。被災者の皆さまのご無事をお祈りしております。
気づけば五か月
こんにちは。
気づいたら5か月が経っていました。4か月目の振り返り記事を書いていませんでした。筆不精は中々変わりません。
日本は猛暑だと聞いていますが、こちらは涼しいものです。朝晩のバスを待つ間は上着を着ないと寒いくらいです。
この2か月は研究が計画通りに進まず、自分の一日の進捗の遅さに愕然とする毎日です。微生物を扱っているので、計画通りに進まないのは当たり前ではあるのですが、焦るものは焦ります。ここに来てから毎日焦ってばかりです。
時間は有限だという意識を以前よりも強く持つようになりました。
一日を効率良く過ごすために、生活を夜型から朝型に変えたり、ノートにその日の活動を時系列で書き一日を振り返ったり。
落合陽一さんの真似をしてたら寝不足で過敏性腸症候群になったのでヨーグルトをよく食べています。あとリンゴとナッツは低GIで集中できると本で読んだので、机の引き出しがリンゴで埋まってます。
カナダでは夜遅くまで残って作業するというのはやはり一般的ではなく、ワークライフバランスが大事だという考えが身の回りでは主流です。オフとオンを切り替えてスマートに働けとラボメイトによく言われます。それはそれで理に適っているとは思うのですが、それが好きであるなら無理してやめる事も無いよなと。自分が納得する方を選ぶようにしています。旅行とか全然行けてないのですが、帰国した時に語りたいのは旅行の思い出ではなく、自分が成し遂げた事だと思います。
時間が空くと、自分はなぜ留学したのか、なぜここにいるのかとよく考えます。
自分は休学してまでここに研究留学に来ました。「そこまで熱心だったかな自分?」と疑問に思ったり。別に誰に言われた訳でもないですし教授になりたい訳でもないです。結局、自分のしている事に納得したいのかなと思います。自分が研究していた事が、実験室の中だけの話ではなく、社会に繋がっている物だと確かめたかった、或いは社会に繋げる事で、目に見える形として残したいのかなと。
研究分野に関しても、今は下水処理の研究をしていますが、振り返ってみると、要は社会に役立つ新技術、未来を創る事に惹かれていたのだと気付きました。
トビタテに支援して頂き、金銭的な心配をせずに目の前の事に取り組める今の環境に、とても感謝しています。それを成果で示せる様に、気を引き締めて頑張っていきます。
まとまりないですが、今日はこの辺で。
数少ない写真。上はラボメイトとその友人とハイキング。ハイキングというよりクライミングでした。景色も素晴らしかったですが、登頂した時の達成感が魅力ですね。 下はカルガリーのお祭りスタンピード。出店やイベントが目白押しでした。チーズケーキの揚げ物とか、砂糖の塊みたいなジャンクフードは流石北米という感じ。