折り返し地点
こんにちは。
九月になり、身に染みる寒さになって来ました。
まだ日中は暖かいですが、朝晩のバスを待つ間がジャケット一枚ではちょっと耐えられません。カナダは夏と冬の2シーズンしかないようで、季節までオンオフがはっきりしているなあと思うこの頃です。
新学期が始まったようで、食堂がごった返していたり、新入生向けのオリエンテーションがキャンパスの各地で行われています。上級生からすると新入生ってみただけで分かってしまうんですね。昔から不思議なんですが。若々しさというか青々しさというか、そんな感じが滲み出ているのを感じるからでしょうか。
最近は、というか7月末辺りから研究が漸く軌道に乗り始め、計画は遅れているのですが、先に進めている安心感から、精神衛生は前より大分改善してきました。心の余裕って大事です。
そういえば自分の研究テーマである好気性グラニュールについての説明をしていなかったので、簡単に説明してみます。(トビタテの事前研修では上手く理解して貰えなかったので、リベンジです。簡単に説明するって簡単じゃない。)
下水処理場では、活性汚泥と呼ばれる、見た目は水の中を漂う綿あめのような形状をした微生物群を使って水を綺麗にしています。タンクの中にこの微生物綿アメを閉じ込め、彼らに汚水を餌として食べさせているんですね。
現在はこの微生物綿アメが、日本を含めた世界の下水処理の主流となっています。
ですが、この微生物綿アメをある条件下で育成する事で粒状の微生物群が自然発生する現象が発見されました。この粒粒を好気性グラニュールと呼んでいます。例えると、綿アメが丸まって出来たアメのイメージです。綿アメがアメになる事で、体積が小さくなり、また早く沈むようになります。これが処理の効率化に繋がる新技術という訳です。僕はこの技術を日本の現行技術に導入し、現状の改善に貢献したいと考えています。
しかしながら、まだまだ新しい技術であり不明な点も多く、実用化に向けた課題の解決を行っている最中であり、この留学及び僕の実験もその課題解決策を模索するものです。
そんな訳で、僕は毎日ラボで粒粒を眺めて暮らしています。
カナダでの留学もあと半年。気を抜くとあっという間に終わりそうです。ちゃんとした成果を持って日本に帰りたいと思います。
最後に。Twitterを見たら、北海道で大地震が起こっていた事を知りました。被災者の皆さまのご無事をお祈りしております。